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最近流行の注目単語C BI -製造業における活用事例とポイント-

2018.09.18

今回はBIに関して事例を紹介します。
*「BI」の詳細については書籍で勉強していただき、ここでは活用のヒントとなる事例を二つ紹介します。特に事例Aは失敗事例になっており、BI導入は慎重に検討する必要があることがわかります。特に製造業では4M管理とそのためのデータがとれているかが重要です。
*機密保持のため、若干抽象的な表現になっている部分があります。

1)BIについて

近年ビジネス界でもIT界でも流行してきているBIについて紹介していきます。他のビッグデータやAIといった単語に比べたら見る頻度は少ないかもしれません。しかし私の知る限りかなり以前から、そして最も多く導入が進んでいるように思えます。最近のBIの特長はオンメモリで動作し、さくさく動き、より簡単によりビジュアル化が進んでいます。

BIとは、ビジネスインテリジェンス(Business Intelligence)の省略した文字で頭文字をとって「ビーアイ」と呼んでいます。インテリジェンスは「知能」・「知性」・「理解力」という意味ですが、この文脈においてあえて日本語にするなら、「ビジネス分析」といった訳になると思います。BIは、IoT(前回の記事参照)の普及によってビッグデータの利用が盛んになった2010年代以降、注目度が日々高まっています。

BIと呼ばれるものは、データの可視化が基本的な機能になります。例えばですが、以下はアイスクリームの売上と気温の関係になります*。

* 日本アイスクリーム協会及び気象庁のデータ
https://www.icecream.or.jp/data/expenditures.html
http://www.data.jma.go.jp/gmd/risk/obsdl/index.php

これを見ると、当然アイスクリームと月の平均気温は関係がある事がわかります。このように、データの状況や関係性を可視化するのがBIの大きな役割になります。また、データの単位までドリルダウンしたり逆にグラフ化したり、ミクロやマクロ視点など自在に分析できることがBIの特長です。

当然ながらBIの重要性が叫ばれる以前から、製造業ではさまざまな数字を扱ってきました。納品・販売後の故障率を全体、商品ごと、使用期間ごとなどに詳細に表示できなどの数字やデータを扱うだけであれば、エクセルの表やグラフ化されたレポートで十分でした。

そういったレポートを自動化して見せる事や綺麗なグラフで見せる事がBIというツールを使って出来る事になります。正直言うと、グラフを作るだけならばExcelで作るグラフと機能的には大差ありません。しかし綺麗なグラフを作りたい・大量データを集計したいという時はBIのほうが良い事があります。

2)製造業でのBI事例@

業種:鉄鋼メーカー
従業員数:非公開
活用ポイント:日々の作業を効率化

現場で、日々生産される鉄の生産状況や抜き取り調査をした際のレポートを作る必要があります。生産した段階で発生した不良品しかりその鉄鋼の状態や生産者情報を報告する必要があります。またいくら良品として出荷されるものといえども抜き取り調査をし、破壊検査をしています。破壊検査ですと引張強度、降伏点、遷移温度などを検査していきます。
勿論良品も外観検査、内部のX検査は当然ながらやっていきます。品質の指標だけでも50以上あり、それらをレポートする必要があります。

製造の工程によって自部署だけではなく他部署とも連携が必要になります。こういった工程は、BIを使う事で日頃から自動的にデータをフォルダの特定の場所においておくだけで、自動的にレポートされるという事でデータ集計において大きな効率化ができたケースになります。

この時は、レポーティング業務を行っていた約4割の工数が削減される事で他の業務に注力できるようになりました。ただこの時も私は良品と不良品を予測するような分析も一緒にやってみましたが、良品や不良品を予測出来るようなモデルは出来ませんでした。

レポーティング業務の自動化・可視化だけでも大きな工数が削減できたので、クライアントである鉄鋼業の方々を満足させる事が出来たという事例になります。分析はどうしても上手く行くような場合もあれば、上手くいかない場合もあり、上手くいかない場合はこのように日頃のレポーティングの自動化といった事で終わる事も多々あります。

3)製造業でのBI事例A

業種:食品メーカー
人数:約2000名
活用ポイント:課題が多い現場ではBI導入より話し合いが重要

これはどちらかというとBIツールの有効活用というよりも失敗事例です。逆に、この会社では事例@同様に業務改善を目的に導入をしました。その結果、確かに通常よりも手早くいつもの仕事が終わるだけでもなく、誰かに頼まなくても自分で欲しい情報は自分でとれるようになりました。

ただし、その結果何が起こったかと言いますと現場に足を運ばなくなり、データではわからない現場の整理整頓が把握出来なくなり、結果、安全面でのトラブルが発生しました。

また、当然ながら本来はしっかり現場を把握するためにBIツールを導入する必要があります。しかし自動的にデータが出てくるため、途中のデータを見る必要もないし、現場とコミュニケーションを取らなくても良いという事になってしまいました。その結果、「ばらつきが最近出ているが何故?」という質問が上司から聞かれたときに現場管理者層が答えられないという事態になってしまいました。

それまではデータのやり取りのため他部署とコミュニケーションをしていたのがいつのまにか無くなったこと事で、他工程が把握する事がなくなり、次工程の事を考えずに行動しだし工程間のロスが生じするといった問題が発生してしましました。

そのため自動化でデータを出すのを辞め、1つ1つの工程を代表的な値だけを見るのは危険だと感じ生データを日頃から見る必要があるということがわかり、1つ1つの工程をBIツールで集計するようにしました。

そして必ず現場と話をするように仕切り直しています。事例@と違って現場の課題・改善すべきことが多く、数字にならない例えば整理整頓の状況、またデータがとれていないようなものが多い場合は、どうしてもBIは不向きです。

BIはかっこいいシステムができ、いかにも管理できているということに陥りやすいちょっと怖いツールです。また外部SIがシステムを組むと視点や分析点が固定化され新たな発見のない管理システムになりがちです。つねに問題点をもってBIツールを使え、色んな観点からデータをチェックするようなインハウスの人材育成が急務です。

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