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シーケンス制御作業検定の概要と勉強法

技能士(シーケンス制御技能士)とは

国家資格である技能検定は、職業能力開発促進法に基づき実施されています。

合格者は技能士と称することができます。試験の難易度によって1 級、2 級、3 級に分かれます。試験は実技試験と学科試験により行われ、両方の試験に合格することが必要です。

リレー・PLCを使用する「機械保全技能検定(電気系保全作業)」に対し、PLCによる制御に特化したのが「シーケンス制御作業検定」です。

3級は、工業高校や高専の学生が多く受検します。社会人は、実務経験が2年あれば2級を受検できます。

資格取得の目的・メリット

1級・2級に合格した方に伺いました。

「私の所属する会社では“技能手当”が付きます。試験は年々難しくなっていると思われ、早めに合格する方がベターと考えたので、社会人になって数年で受検しました。

実際の業務では、ラダープログラムで使用する命令語の範囲が限られますが、試験では広い範囲のプログラミングスキルが必要なのでスキルアップが期待できます。

また実技試験ではスピードと正確性が求められるので、緊急の現場対応の訓練にもなります」

過去の試験問題

後ほどの合格者の声にあるように、徹底的に過去の試験問題を学習することが重要です。

中央職業能力開発協会のホームページに、試験問題が公開されていますのでご確認ください。

技能検定試験問題公開サイト|中央職業能力開発協会

学科試験の概要と勉強法

2級は、真偽法及び四肢択一法の50題で、試験時間は1時間40分です。正解は公表されます。

試験範囲は、シーケンス制御法・メカトロニクス一般・電気・製図・機械工作法・安全衛生です。

シーケンス制御だけでなく幅広い知識が問われますので、合格した方に勉強法を伺いました。

「私は過去問を7年間分、きちんと内容を理解して正解できるまでやりました。
理解なき丸暗記はNGです。過去問以外はやっていません。シーケンス制御以外の問題もそれでOKです。

知識問題の勉強は試験の直前をおすすめします。
学科試験対策は、試験前の3週間、過去問を毎日30~50分程度、繰り返してほぼ満点を取れるまで行っていました。
これで90%は正解できます」

実技試験の概要と勉強法

2級は、計画立案等作業試験と製作等作業試験があります。

【計画立案等作業試験】

試験時間は1時間です。
正解は公開されます。
プログラマブルコントローラ(PLC)のプログラミングとシステム設計に関することについて行います。

【製作等作業試験】

試験時間は2時間で、打切り時間は2時間20分です。
正解は公開されません。
指示された仕様に基づいて配線作業を行い、回路を完成させた後、プログラマブルコントローラ(PLC)にプログラムを入力し作動させます。

【計画立案等作業試験】

合格した方に、勉強法を伺いました。

「私にとってはあまり時間を割かなくても解ける内容でしたので、試験日の1週間前から1日30分程度勉強していました。
ただし早めに過去問を見て、難易度を確認し、ご自身の勉強時間を決めてください。
勉強法としては、学科試験と同様、過去問を繰り返し解くことです。
ラダープログラムからタイムチャートを作成する問題があるので、定石回路はここでも理解しておく必要があります」

【製作等作業試験】

合格した方に、勉強法を伺いました。

「こちらも、少し先輩に協力してもらった以外は過去問7年分で勉強しました。勉強期間は3ヶ月、余裕を持ちたいなら4カ月は必要と思います。
私の勉強法を参考に、ご自身で勉強時間を決めてください。

私の場合は、週に3~4日、定時後に過去問1問を2時間~2時間半かけて行っていました。1日1問というのは、実際の試験時間が2時間というところから来ています。

過去問7問を3ヶ月で6回転行うことになります。
最後の方は先輩の協力で少し独自問題をやっていましたが、5~6回転は必要と思います。
受検時に慌てないためには、問題が解けるだけでなく、時間内に終わるよう作業に十分に習熟しておく必要があるためです。

試験時と同じ環境での練習が重要なので、検定会場と同等品の作業盤は勉強開始時から必須です。

流れは次の通りですが、受検者の力量で、必要な時間数や時間配分は変わると思います。

  • ①試験問題を理解する
  • ②時間をかけても正確に回答する
  • ③時間内で、作業を正確に完成させる
  • ④私の場合、先輩に独自問題を考えてもらい練習する

①と②は同時進行になりますが、当日は時間制限付きであせりがちになるので、問題をよく理解した方が良いです。
1年に1回の試験なので、上流でミスをすると1年の努力が無になってしまいます。

過去問を見てみると、頻出命令・回路があることが分かります。

  • ・自己保持回路
  • ・自己保持を解除する回路
  • ・コンベヤ駆動回路&往復回路
  • ・フリッカ回路
  • ・BCD出力
  • ・四則演算

で構成されているプログラムを考える場合が多いので、過去問をこなした後、先輩にはこの範囲で独自問題を作ってもらいました」

合格した方に、試験の注意点を伺いました。

「作業にあたっては、安全性に十分注意が必要です。
例えば電源が入った状態で配線を行なったり、電源タップの上で配線することはNGです。

試験時間は2時間で、打切り時間は2時間20分と長いように思えますが、実際はスピーディかつ冷静沈着に作業を進める必要があります。
ラダープログラム作成だけでなく、配線準備と後片付け、整理整頓まで含んで2時間です。
標準時間を超えた場合、超過時間に応じて減点されますので、作業には十分に習熟しておくことが重要です。
ちなみにPLC側の配線(電源・I/O・コモン)は事前配線OKです。

全ての課題が終了したら、部品や工具等の整理整頓をしてから技能検定委員に終了の合図をします。5Sも採点対象になるので要注意です」

※上記の合格者の声は、個人の感想であり、効果を保証するものではありません。